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はれのひ事件を弁護士の視点で分析

2018年2月15日

はれのひ事件を弁護士の視点で分析

1.はじめに~法律面から見た「はれのひ事件」

成人式当日、着物販売・レンタル会社「はれのひ」が突然の営業停止!!振袖が着られず、成人式にも参加できなかった新成人が数多くいらっしゃいました。式当日に本当にひどい話です。
そんな中、平成30年1月26日、「はれのひ」は横浜地裁から破産開始決定を受けました。預けた振袖は?支払ったお金は?残ったローンはどうしたらいいの??そんな疑問に、法律面からお答えいたします。

2.支払ったお金はかえってくるのか?

残念ながらお金がかえってくる可能性はほぼゼロです。破産開始決定を受けた企業の多くは財産が残っていない状態で、債権者に配当があるケースは少ないのが現状です。今回の「はれのひ」も財産が残っている可能性は極めて少ないと思われます。
最近ニュースになった大手旅行代理店の倒産のケースでは、日本旅行業協会(JATA)の保証制度で一部補償されましたが、着物販売等の業界にはこのような救済制度がなく、被害者は泣き寝入りするしかないのが現状です。

3.購入した振袖は?預けた振袖は?

振袖を購入し、代金も全額お支払いされている場合、振袖の所有権は購入者にございます。そのため、預けた振袖と同様、返還してもらうことは可能です。しかし、現在「はれのひ」で保管している振袖がどなたの物か特定することは非常に困難な状態にあることが考えられます。破産申立代理人によると、破産管財人(破産の手続を進めていく弁護士)より随時連絡があるとのことですが、いつ頃返却されるかは不明です。
もし、ご自身でどの着物か写真等があるようでしたら、破産管財人へ一度ご連絡されてもよいかもしれません。

4.残ったローンは?

カード払いで、まだローンがあるよという方。残額を支払わなくてもよい可能性がございます。割賦販売法では、売買契約を解除して、ローンの支払いを拒むことが認められています。

ローン会社に対して、
1:「はれのひ」が振袖を引き渡さなかったり、成人式の日にサービスを提供しなかった等の理由から、契約を解除すること。
2:今後の支払を拒絶すること。
この2点をローン会社に対して意思表示をすれば、残額について弁済する必要がなくなる可能性があります(接続の抗弁)。

また、クレジットカード会社については、個別で支払いを免除してくれる可能性もございます。以前、大手旅行代理店が倒産した際も、クレジットカード会社が個別に対応したケースもございます。まずは、カード会社にご相談ください。

5.最後に

二度と起きてはいけない成人式振袖市場を舞台にした「はれのひ」事件。今回被害にあわれた新成人のうち、振袖を取り返したい方、ローン残額の支払いを停止したい方等、被害を回復できる可能性はございます。お悩みの場合は、最寄りの弁護士までご相談下さい。

記事の執筆協力
瀧井喜博 弁護士/瀧井総合法律事務所
若手の弁護士として、敷居の低い法律事務所を目指しています。自他ともに認める人情派の弁護士として、依頼者の「困った」を「よかった」にすることを目標に、全力を尽くしていきます。

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