営業ハック-事業再生時のリニューアル方法
どのような事業を手掛けていたとしても、事業がうまく行かなくなる時はあります。そのような事業再生時のリニューアル方法は大きく分けて4種類あります。
- 商品/サービス
- 顧客層
- 販売方法
- PR方法
事業を再生していく際には、この4種類のいずれかまたは複数を変えていく事で成功するケースが多いです。そのため、いずれを変えるべきかを見極めるのが経営者にとって重要な判断になります。
今回は、「顧客層」の見直しにより大成功を収めた、USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)について書かせていただきます。
ケーススタディ~USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)大躍進の秘密
USJは、2001年に開業当初にも関わらず、年間来場者数1100万人と華々しくデビューしました。しかし、翌年には700万人にダウンし、わずか3年後の2004年には事実上の経営破綻に追い込まれました。
その後、2010年にマーケターの森岡毅氏が入社し、2012年にCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)に就任した彼の手腕により、奇跡的なV字回復を成功させ、2015年には年間来場者数が1390万人と大幅な記録更新を成し遂げました。
このV字回復には、様々な要因が複雑に絡んでいます。私(田村個人)が考える所では、この大きな要因の1つとして、今回のテーマである事業リニューアル、特に「顧客層」の見直しが関係していると思います。
顧客層の見直し
そもそもUSJは、ハリウッド映画にこだわった「映画ファンのテーマパーク」というブランドイメージが強くありました。しかし、エンターテイメントにかける映画の割合は、実は1割しかないという事実に森岡氏は気付いたのです。
そこで、映画ファンだけのテーマパークから脱却し、エンターテイメントのセレクトショップへとイメージを変容させるため、アニメやゲームなど多くのジャンルからブランドを投入しました。
これらの取り組みにより、今まで最大の弱点であった、「低年齢の子供連れ家族の集客」に成功していったのです。
その結果、恒久的に集客層を拡大し、生涯来場回数も増やすことになりました。(子供の時にプラス1回、親になってプラス1回、孫を連れてプラス1回)
ユニバーサル・ワンダーランドなどファミリー向けを拡充して行く中で、「セーラームーン、ドラゴンボール、コナン、ミニオン」など、子供と大人両方が楽しめるコンテンツを拡大して行くことにより、次々と顧客数を拡大していきました。
その他にもUSJの成功の裏には様々な要因が隠されていますが、その裏には計算し尽くされたマーケティングの技法が隠されています。いま事業に悩んでいる方やもっと業績を上げたいと考えている方は、ぜひ一度マーケティングにも目を向けて勉強するようにしてみてください。
また、今回は「顧客層」の変化に特化して書きましたが、次回以降は別の部分を変化させた成功事例も書かせていただきます。