営業の勉強をしている方であれば、必ず「お客様の話をよく聞きなさい。」や「自分が話す時間よりもお客様に話していただく時間を2倍にしましょう。」などはよく聞かれているかと思います。これはお客様にしっかりとお話を聞くことでお客様から本来のニーズを聞き出すことに役立ちよく「傾聴」という言葉で表現します。では、どこまでしっかりと聞けば「傾聴」したことになるのでしょうか?
私の一つの基準としては、お客様の感情が高ぶる話題に対して「5回なぜ?」と問いかけることです。例えば「野球が好きだ。」というお客様がいれば、「なぜ、このお客様は野球が好きなのだろう?」と疑問に思えばお客様へと質問をします。そうすれば、「学生時代からやっていたからね。」などの答えが返ってくるので、次は「なぜ学生時代に野球をされていたのですか?」と質問をします。そうすれば、お客様から「父親とキャッチボールをして楽しかったからかな。」などの答えが返ってきます。このなぜを五回繰り返すと必ずお客様の根元にある感情に触れることができます。この場合は、父親として「野球が楽しかった。」という感情にふれることができ、自らコントロールしながらさらに深く追求していくことで、父親に対する感情や野球に対する感情をさらに引き出すことができます。お客様の感情に触れることができれば、お客様の心が動きます。心が動けば感動につながり、感動が生まれれば契約や紹介へとつながります。
ただし、この傾聴のスキルを使う際に注意点があります。まず一つは、何でもかんでも傾聴しないということ。なぜなら、何度もなぜと聞かれるとお客様も詰問されているようになり、だんだんとプレッシャーを感じてくるからです。傾聴するときのポイントは、お話をする中でお客様が時に気分よく話していることを見つけることです。お客様と話をしていく中で、言葉の抑揚や感情の込め具合などをしっかりと感じ取りこの話題こそ傾聴のスキルを使うと決めておかないと話があちこちに飛んでしまったり、お客様に詰問しているような形になりお客様に不快感が残ってしまいます。
わかっているようで、なかなか使いこなすのが難しい傾聴のスキルですが、自転車と同じで一度出来だすとそのあとはすいすいとお客様から根元の感情を聞き出すことができます。うまくなるためには、どんどん実践するしかありません。お客様の感情が高ぶるポイントを見つけ傾聴のスキルを使い必ず5回質問してみましょう。感情が高ぶるポイントは長年続けている趣味や家族の話題に感情が入りやすいです。お客様の価値観をうまく感じ取り傾聴のスキルを使いこなしましょう!