日本政策金融公庫や信用保証協会付け融資などの融資の際には、「面接・面談」があります。では、その面接・面談ではどのような事が聞かれるのでしょうか。
事業計画書の内容を100%理解しているだけでOKという考えでは安易過ぎます。
融資を受けるためには「面接・面談」を成功させなければいけません。事前に質問される内容を知り、準備をしておきましょう。
融資の面接・面談で聞かれる12の質問
起業創業の動機・理由
融資担当者は、経営者の「人柄」や起業創業に挑戦する「意志の強さ」を判断しようとしています。
日本政策金融公庫の新創業融資制度などの創業計画書に記載する部分でもあるので、答えられないという事はないでしょう。
面接・面談で注意するべきポイント
事業計画書とかけはなれた内容を喋ったり、後ろ向きな発言をしてはいけません。
事業計画書と照らし合わせてブレがないようにトークのレイアウトを設計し、「過去の経験」、「積み上げた知識」、「仕事に対する姿勢」、「将来へのビジョン」この要素が伝わるようにトークに組み込めば、担当者に熱意は伝わります。
事業経験の詳細や創業者の強み
融資担当者は、アナタが起業創業した後に強い企業へと育てていけるのかを確認しています。
面接・面談で注意するべきポイント
事業計画書に照らし合わせて、それが実行できる理由として納得できるだけの経験値を伝え、その経験値がアナタの強みになる事を伝えて下さい。
自己資金は用意できているか?
融資担当者は、アナタがどのような経緯で自己資金を貯めてきたかを確認しています。
日本政策金融公庫の新創業融資はもちろん、他の起業創業系融資制度でも自己資金の確認はされます。
面接・面談で注意するべきポイント
ある日ポンと資金ができたから始めるのではなく、起業創業をするために計画をもって貯金をしていたという経緯を見せないといけません。
要するに、「思いつきで起業創業するのではない」と思わせる必要があります。
通帳の入出金内容の確認
融資担当者は、税金・公共料金・家賃その他の支払状況を見て、アナタの資金管理能力と資金の流れに懸念が無いかを確認します。
面接・面談で注意するべきポイント
支払うべきものは期日までにきちんと支払えているか、極端な遊興費などで散財していないか、自己資金を貯める経緯に不審な入金などがないかです。指摘されるだろうと予想されるものがある場合は、不正ではない事を証明する資料を面接・面談時に準備しておきましょう。
クレジット、カードローンなどの残高
融資担当者は、融資した資金がアナタの借金返済に転用されるのではないか、個人の借金で生活できなくなり倒産するのではないかを確認します。
面接・面談で注意するべきポイント
事業自体の資金繰り計画含めてはっきりと答えられるようにしましょう。事業が健全に推移すれば、アナタ個人の借金も返済できると思わせるしかありません。
事業の具体的な内容と業務の流れ
融資担当者は、事業が具体的に実行できるのかを確認します。
面接・面談で注意するべきポイント
担当者は理解できない事業を評価はしてくれませんので、事業に理解してもらうためのトークと分かりやすい資料を用意しましょう。
※特にIT系・コンテンツ系ビジネスには消極的な見方をされるので、理解させれるだけの説明資料とプレゼントークの設計が必要です。
事業の差別化要因とその内容
融資担当者は、アナタの事業の差別化要因からも実現可能性を判断しようとしています。
面接・面談で注意するべきポイント
事業のターゲット市場にいる既存の競合と比べてどのような差別化要因があり、実現可能性が高い事を伝えましょう。
ターゲットや潜在顧客の信憑性
上記と同じく、融資担当者は、事業の実現可能性を判断しようとしています。
面接・面談で注意するべきポイント
既に潜在顧客リストがある場合には顧客の実在性を納得させれる資料を示し、顧客リストのない不特定多数をターゲットとする場合には営業経験と実績を伝えて理解してもらいましょう。
売上/経費の根拠
融資担当者は、実現可能な収支計画になっているかを確認します。
面接・面談で注意するべきポイント
なんとなくの思いつきなど根拠の無い売上/経費で収支計画を作るのではなく、説明できるように作り、計画的な経営を伝えましょう。
資金繰り計画
融資担当者は、資金使途と返済財源について確認します。ここが最も重要なポイントです。
面接・面談で注意するべきポイント
金融機関は、資金繰りに興味のない経営者に融資をしません。専門家やパートナーと相談をして、資金繰り計画を自信をもって説明できるようにしましょう。
事業がうまくいかなかった時の対策
融資担当者は、アナタのリスク管理能力を判断しようとしています。
面接・面談で注意するべきポイント
融資担当者も計画書通りに全てがうまく進むとは思っていません。大事なのは、そういう事態に陥った時にうろたえるのではなく、事前に対策を講じてリスク管理をした経営を行う事です。自社の事業内容からどのような問題が想定され、どのような対策が考えられるかを事前に検討しておきましょう。
リスク管理能力があると判断されれば、多少無理な融資をしても返済可能性が高いと捉えられます。
営業場所に関する確認
自宅以外の場所で事業を行う場合、賃貸借契約書の写しが必要になります。
また、事務所使用禁止の条項があるにも関わらず、無断で事務所利用していると追及されます。
融資の面接・面談のまとめ
融資を受けるためには、「事業計画書」と「面接・面談」の二つはどちらも大事な要素であり、どちらか片方でもNGとされれば、融資は受けれません。事業計画も面接・面談も、アナタの心構え(覚悟)からくる準備が重要なのです。
ファイナンスアイに相談に来られる方には、「とても個性的な外見」をご自身のポリシーとされている方もいらっしゃいます。そのような方々でもファイナンスアイでは相談に応じております。
しかし、融資担当者はどう思うでしょうか?
参考になる事例として、ファイナンスアイで実際にあった二人の社長を例にあげさせて頂きます。
事業に成功したA社長
「人様から融資を受けるのだから」とご自身の「外見」というポリシーを捨て、外見を「心象の良いスタイル」に変えて面接・面談に臨まれました。
熱意があり過ぎて融資担当者と討論になった事もありましたが、結果としては「人間的に信頼できる」と評価され、少々無理をした金額にも関わらず満額融資になりました。
さらに、この経営者は事業開始1年を待たずに黒字化されて、更なる事業拡大へと進まれています。
事業に失敗したB社長
一方で、弊社からどれだけアドバイスをしても、ご自身の「外見」というポリシーを捨てずに面接・面談に臨まれた方もいました。
結果は「アナタに経営はできない。」と評価され、減額等の交渉の余地もなく却下されました。
(もちろんファイナンスアイは資金調達のプロですから、その後再度チャレンジをして無事に融資を獲得しました。)
しかし、この経営者は事業開始後2カ月程度で資金を使い切り会社を清算したいと相談に来られました。(もちろん弊社の支援により、今は事業の先が見えておられます。)
日本政策金融公庫は国民の税金を財源として融資しています。いい加減な人間に融資したくないというのが心情でしょう。
ファイナンスアイの強み
- 10,000件以上のあらゆる状況の経営者を”自分の手”で支援した圧倒的な実戦経験
- コロナ禍でも倒産率0%を達成した企業再生・経営改善
- コロナ禍の創業でも年商億超えの起業家の育成
大切な事は全てお客様と一緒に戦った実戦経験で学びました。
記事・コンテンツの監修者
株式会社ファイナンスアイ(経済産業省M&A支援機関登録済)
代表取締役 田中 琢朗(たなか たくろう)
大手の金融機関・上場企業の財務部門責任者などを歴任し、2014年にファイナンスアイを創業。業界歴30年・創業10年のベテラン。中小企業・個人事業主・起業家と一緒に、現場で泥臭く汗をかいて靴をすり減らして財務を軸に経営者を支援し続け、のべ10,000人以上の圧倒的な実戦経験を持つ。ノウハウを「ファイナンスアイ式メソッド」として確立。中小にはびこる悪質なM&Aの被害をなくすために、M&A支援も本格化。売手・買手のいずれの立場からも真のM&Aを提供。現在も毎月150件以上の新規相談に対応し、毎週セミナーも開催中。日本経済のために今日も邁進しています。