日本政策金融公庫の審査基準や期間とは?落ちてしまう原因と対処法も解説

資金調達-創業融資

日本政策金融公庫の審査基準や期間とは?落ちてしまう原因と対処法も解説

2023年4月19日

民間金融機関以外にも日本では「政府系金融機関」があります。公的な金融機関で税金を投入して運営しています。

「日本政策金融公庫」は50種類以上の融資制度があり、その中に、資金繰りに苦しんでいる中小企業や小規模事業者、個人事業主を対象にした融資があります。

中小企業、小規模事業者でも利用しやすい金融機関ですが、すべての事業者が審査に通るわけではありません。

今回は日本政策金融公庫の審査について解説します。

 

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日本政策金融公庫の審査基準とは?

日本政策金融公庫で融資を受けようとした場合、一定の審査基準があります。民間金融機関のそれらと比べると融資対象の範囲は広いですが、どんな事業者の申し込みも通すほど審査基準は甘くありません。

それぞれの審査基準について下記で詳細を説明していきます。

日本政策金融公庫の審査基準

  • 自己資金
  • 信用情報
  • 一定以上の事業経験
  • 経営計画

自己資金

日本政策金融公庫の融資には通常の事業者向け融資と、開業前、および開業後数年までの事業者向けの「新創業融資」があります。

前者の場合、自己資金はそれほど重視されず、あくまで今の利益の中で返済原資をねん出できるかが重視されます。

一方新創業融資を創業前もしくは創業して数カ月で利用する場合、自己資金が必要になります。それは開業前、あるいは開業後すぐの場合、事業が軌道に乗っておらず、十分な売り上げにならない可能性もある為です。失敗した場合の金銭的な保険として、加えて事業者の「覚悟」の意味でも自己資金の金額を求めます。

開業資金、あるいは開業後の運転資金等をすべて借入で補うのはリスクがあるため、一定程度自己資金を求めます。日本政策金融公庫の名通り、開業資金総額1/10以上の自己資金を保有していることが条件で、自己資金がないと審査基準を満たしません。

借入希望額の1/10の自己資金というのは、民間金融機関と比べるとかなり緩い審査基準で、実際は民間金融機関が必要とする1/3〜1/2が必要であるケースが多くなり、1/10準備して融資を受けれるケースはほとんどありません。融資の基準となる自己資金が用意できない人は、創業融資の申し込みに対する最低ラインをクリアできない為、融資は不可と判断しています。

自己資金は自分の預貯金、家族からの援助などが必要であり、出資不明のお金は自己資金として認めてもらえません。借りてすぐに返すといったやり方で、資金が十分にあるように見せる行為の「見せ金」も絶対に禁止です。

信用情報

政府系金融機関とはいえ「融資」ですので、当然信用情報照会があります。

クレジットカードや各種ローンなどの借入・返済状況が確認できます。遅延歴や返済不能など事故歴があれば当然マイナス評価になります。

しかし民間金融機関と違うことは、信用情報に問題があっても、即審査落ちになりません。民間金融機関で助けられない人たちを救うのも日本政策金融公庫の重大な使命ですので、遅延等になった理由次第では審査に通る可能性があります。

不可抗力の天災、事故等、経営者の経営手腕によらない理由や、やむを得ない事情があった場合、斟酌してくれる可能性があります。そのため、誠意ある説明が必要になります。

一定以上の事業経験

新創業融資など創業融資メニューを利用しない場合、通常融資を申し込む場合、少なくとも2期分の決算書が必要になります。融資によっては3期から5期分の決算書が必要になるため、1つの業種において2年または5年以上の経験が必要になります。

 それに満たない事業期間の場合は、創業融資の枠組みとなります。当然、審査内容も異なり、事業計画書などが重視され、事業開始前、もしくは開始直後のタイミングでは自己資金も必要になります。

経営計画

創業融資を受けたい場合は、事業計画書の作り込みが必要です。今後数年の見通しや収益シミュレーションなど、根拠のある数字を記入することで説得力が生まれ、審査に通りやすくなります。

通常融資の場合は、過去の決算と整合性がある事業計画を作成する必要があり、安定的に利益が出ている場合は、事業計画が大きなポイントとなることはありませんが、赤字決算の場合、融資を受けてどのように自社の経営が改善するのか説得力を持つ事業計画書を作る必要があります。

日本政策金融公庫の審査の流れと期間

日本政策金融公庫の融資に申し込むと、審査の流れと融資実行までの期間はどのくらいになるのでしょうか?下記にて解説いたします。

事前面談

電話もしくは最寄りの窓口で事前面談します。日本政策金融公庫の本支店は全国に150店舗以上あるため、気軽に相談に行けます。

申し込み

必要書類を提出し融資の申し込みをします。融資の際には面談も必要になるため、申し込み後、担当者とやり取りをして面談日を決めます。

なお審査の過程で「実訪」「営業確認」が日本政策金融公庫社員によって行われます。本当にその場所で営業しているのか、どのような場所で創業しようとしているのか等を目で見て確認します。

面談

提出書類をもとに面談します。所要時間は1時間ほどが目安になります。面談では資料だけではわからない定性面、つまり、融資希望者の人柄や熱意などが評価されます。

事業実績が厳しい場合や自己資金に対して融資希望額が多い場合などは、この面談時の返答や振る舞い方次第で審査に通過できるかもしれません。

逆に事業実績が良くても、まったく質問に答えられない場合など、経営者としての資質に疑問符が付く場合は、審査に落ちるかもしれません。形式的な審査過程ではなく、面談も重要な選考ステップになります。

返済

返済は元利均等払いが基本です。自動振替にすると返済を忘れにくいのでおすすめです。繰り上げ返済もできます。

繰り延べ返済(条件変更し、返済期間を延ばし月々の返済額を減らす)もできますが、マイナス評価になり、追加融資を受けられなくなる可能性があります。

審査期間は融資歴によって異なる

初めて日本政策金融公庫を利用する場合、申し込みから1ヶ月ほどで審査が完了します。一般的な銀行融資よりもやや長めです。過去に利用したことがある場合、1〜2週間ほどで完了するケースもあります。

迅速性はないので、数日中に資金調達したいという方は、日本政策金融公庫の融資は向きません。

日本政策金融公庫の審査に落ちる原因

 日本政策金融公庫の融資は、民間金融機関の審査に比べると取り扱い範囲が広くなっております。これは返済の確実性のみを重視した場合、民間の金融機関と差がなく、社会にとってマイナスだという政策判断によるものです。

 しかし、すべての申し込みが通るわけではなく審査に落ちることもあります。審査に落ちる原因についてまとめました。

希望額が高すぎる

あまりに希望額が高すぎると審査に落ちるケースがあります。返済能力がないもしくは事業に必要のない不相応な希望額を提示しても、公庫にとってリスクしかありません。

事業計画が曖昧

事業の実現性や成長見込みなどが創業融資の審査では特にチェックされます。数年の事業実績という説得力がない中で、事業計画が曖昧だと試算が甘いと判断されて、審査に落ちる可能性があります。

信用情報に問題がある

過去に遅延歴がある「ブラックリスト」の状態だと、返済能力が低く、問題があると判断され、審査においてマイナス評価に繋がります。ただし、民間金融機関のように信用情報に問題あり=一発アウトということではなく、事情を汲み取って対応してくれる可能性もあります。

日本政策金融公庫の審査に落ちた時の対処法

 民間金融機関と比較して審査に通りやすい日本政策金融公庫の融資ですが、それでも落ちてしまうことはあります。審査に落ちた時にはどのように対処すればよいのかポイントをまとめました。

再審査を受ける

融資の再審査を受ける場合、6ヶ月期間を空ける必要があります。もし再審査を受けるなら事業計画などをきちんと見直さないと同じ計画では審査に通りません。準備を念入りにしておくことを忘れないでください。

資金調達に強い税理士やコンサルタントに相談して、事業計画についてアドバイスを受けることも選択肢に入ります。

ココがおすすめ

※ファイナンスアイでは、自身で対応されたり、他の税理士やコンサルタント等に依頼されたにも関わらず日本政策金融公庫等で否認された後に相談に来られるお客様も多くおられます。弊社ファイナンスアイが対応させて頂いた場合、6カ月を空けずに資金調達を成功させたケースも多くあります。少しでも可能性を探したいお客様、まずは気軽にご相談ください。

別の方法で資金調達する

再審査まで待てない場合は、他の融資やファクタリング、クラウドファウンディングなどで資金調達を考えてください。

ただし、消費者金融系のビジネスローンは、信用情報に借入履歴が残るため、ゆくゆく金融機関(民間金融機関、日本政策金融公庫)から借入する際の審査にマイナスな影響が出てしまう可能性がありますので慎重に考えてください。

日本政策金融公庫の審査についてまとめ

 日本政策金融公庫は政府系金融機関であり、民間金融機関では融資できない事業者の支援を目的とした融資機関です。審査基準は民間金融機関に比べ、融資対象が幅広い分、融資を受けられる可能性が高くなります。しかし、どんな事業者も希望通りの金額で100%融資審査に通るわけではないので、十分準備を行うことが必要です。

最初から民間金融機関ではなく日本政策金融公庫の融資に申し込んでもまったく問題ありません。利率も民間金融機関より低いのでおすすめです。

 日本政策金融公庫の審査はなるべく良いところをくみ取る加点法で行います。資金調達に不安をお持ちの方はぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。

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記事・コンテンツの監修者

起業創業開業の資金調達コンサルタント

株式会社ファイナンスアイ(経済産業省M&A支援機関登録済)
代表取締役 田中 琢朗(たなか たくろう)

大手の金融機関・上場企業の財務部門責任者などを歴任し、2014年にファイナンスアイを創業。業界歴30年・創業10年のベテラン。中小企業・個人事業主・起業家と一緒に、現場で泥臭く汗をかいて靴をすり減らして財務を軸に経営者を支援し続け、のべ10,000人以上の圧倒的な実戦経験を持つ。ノウハウを「ファイナンスアイ式メソッド」として確立。中小にはびこる悪質なM&Aの被害をなくすために、M&A支援も本格化。売手・買手のいずれの立場からも真のM&Aを提供。現在も毎月150件以上の新規相談に対応し、毎週セミナーも開催中。日本経済のために今日も邁進しています。

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