【融資のプロが解説】IT・システム業界の創業者必見!創業融資の創業計画書の書き方~日本政策金融公庫の完全ガイド

資金調達-創業融資

【融資のプロが解説】IT・システム業界の創業者必見!創業融資の創業計画書の書き方~日本政策金融公庫の完全ガイド

はじめに|IT・システム・ソフトウェア業界の創業融資

2024年上半期、日本政策金融公庫の融資状況が発表され、コロナ禍で落ち込んでいた飲食店向け融資が増加している一方で、IT・システム・ソフトウェア業界の融資も引き続き注目を集めています。これから起業を考えている方にとって、創業融資を活用することは大きなチャンスと言えるでしょう。

しかし、創業融資の審査において特に重要な書類が**「創業計画書」**です。この計画書がしっかりしているかどうかが、融資成功のカギを握ります。本記事では、日本政策金融公庫の創業融資における創業計画書のポイントを解説します。IT・システム・ソフトウェア業界に特化した具体例を交え、融資成功への道筋をサポートします。

日本政策金融公庫の創業融資とは?

まず、日本政策金融公庫(以下、公庫)が提供する創業融資について簡単に説明します。公庫の創業融資は、創業間もない事業主やこれから起業する方が利用できる融資制度で、特に以下の特徴があります。

特徴

  • 無担保・無保証人での融資が可能
  • 低金利で長期返済が可能
  • 最大7200万円の融資が可能(うち運転資金は4800万円まで)

このような条件が整っているため、多くの起業家が創業時の資金調達に公庫の融資を活用しています。しかし、融資を受けるためには審査を通過しなければなりません。その審査の中で特に重視されるのが「創業計画書」です。

創業計画書の重要性と全体像

参考:日本政策金融公庫|創業計画書|記載例|IT・システム・ソフトウェア
参考:日本政策金融公庫|創業計画書|記載例|IT・システム・ソフトウェア

創業計画書は、あなたの事業の「未来図」を具体的に示す重要な書類です。融資審査担当者に対して「この事業は成功し、融資金を返済できる」と納得させる必要があります。そのため、以下の4つのポイントを押さえることが求められます。

ポイント

  1. 創業動機
  2. 取り扱い商品・サービス
  3. 必要な資金と調達方法
  4. 事業の見通し

それぞれについて詳しく解説していきます。

1.創業動機を書く際のポイント

参考:創業動機の記載例|日本政策金融公庫・創業計画書
参考:創業動機の記載例|日本政策金融公庫・創業計画書

「創業動機」は、あなたがなぜこの事業を始めようと思ったのかを説明する重要なセクションです。特に、公庫の審査担当者が重視するのは、次の4つの要素です。

(1) 経験

事業に関連する実務経験を具体的に記載します。例えば、ソフトウェア業界の場合、以下のように記載すると良いでしょう。

参考

  • ソフトウェア会社勤務20年
  • プロジェクトリーダー経験10年
  • システム開発および運用管理の豊富な経験

実務経験を具体的に記載することで、審査担当者に事業成功の可能性を示すことができます。

(2) 人脈

事業を運営する上での強力な支援者や、ビジネスの拡大に役立つ人脈を明記します。以下のように記載するのが効果的です。

参考

  • 現在の勤務先から初期案件を受注予定
  • 業界の取引先との強固な関係あり
  • SNSフォロワー5000人以上(業界関係者中心)

(3) 今創業する理由

「なぜ今なのか」を説明します。たとえば、「現在の勤務先で一定の業務を委託される見込みが立ったため」など、具体的な理由を記載します。

(4) 成功の自信

「成功する自信がどこにあるのか」を端的に述べます。例えば、「長年の経験と人脈を生かし、市場のニーズに応えられる体制が整っている」と記載しましょう。

記載例:

ソフトウェア業界での20年以上の経験と豊富な人脈を活かし、介護・医療施設向けの財務管理システムを開発・販売します。現在の勤務先から初期案件を受注予定であり、市場ニーズに応える自信があります。

2.取り扱い商品・サービスの記載方法

参考:取扱い商品・サービスの記載例|日本政策金融公庫・創業計画書
参考:取扱い商品・サービスの記載例|日本政策金融公庫・創業計画書

取り扱う商品やサービスについては、次の要素を網羅して記載することが重要です。

重要なポイント

  • どこで(事業展開する場所)
  • 誰に(ターゲット顧客)
  • 何を(商品・サービスの内容)
  • どのように(提供方法)

記載例

  • どこで: 自社オフィスおよびリモート
  • 誰に: 介護・医療施設の管理者およびスタッフ
  • 何を: 顧客・財務管理システムの開発およびコンサルティングサービス
  • どのように: 業務委託およびオンラインサポート

さらに、「セールスポイント」や「販売ターゲット・販売戦略」についても具体的に記載します。

3.必要な資金と調達方法の注意点

参考|必要な資金と調達方法の記載例
参考|必要な資金と調達方法の記載例

必要な資金については、設備資金、運転資金、自己資金の内訳を具体的に記載します。また、それぞれに根拠を示すことが重要です。

記載例

  • サーバー投資:500万円(見積取得済み)
  • オフィス賃貸保証金:200万円(契約書添付)
  • 運転資金:半年分の人件費として800万円

公庫の融資審査では、特に自己資金が重視されます。総投資額の1/3以上を自己資金で用意することを目安としてください。

4.事業の見通しをどう立てるか?

参考|事業の見通しの記載例|日本政策金融公庫・創業計画書
参考|事業の見通しの記載例|日本政策金融公庫・創業計画書

事業計画の具体性を示すために、以下の2点を記載します。

(1) 毎月の収支計画

創業初期は赤字が予想される場合でも、その理由や解消時期を明確に示します。

年間月次収支計画を別資料で提出するのがおすすめ

(2) 売上創出の根拠

ターゲット顧客や営業戦略を明示し、売上計画が現実的であることを証明します。

日本政策金融公庫の記載例にはありませんが融資の面談で『なぜ、売上がたつのか?根拠は?』と質問されます

融資審査に通るためのポイント

創業計画書において注意すべき点は次の通りです。

注意ポイント

  1. 公庫の記載例に頼りすぎない
  2. 計画の実現可能性を具体的に示す
  3. 自己資金を確保し、根拠を明記する

まとめ:創業計画書を成功に導く鍵

創業計画書は、公庫の融資審査における最重要書類です。今回ご紹介したポイントを参考に、IT・システム・ソフトウェア業界での成功を目指して準備を進めてください。

無料相談や診断を利用し、専門家のアドバイスを得ることも重要。

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YouTube動画で創業計画書の書き方を見る

「日本政策金融公庫の創業融資・創業計画書のポイント解説」

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