資金調達の違い

経営ハック 資金調達・資金繰りの方法

日本政策金融公庫、信用保証協会、銀行の融資による資金調達の違いとは?

2016年11月16日

融資借入による資金調達を考えた時、起業創業時のスタートアップベンチャーや中小企業の経営者などが利用するメジャーな金融機関は、
「日本政策金融公庫」、「信用保証協会」、「銀行・信用金庫」の3つがあげられます。

では、同じ融資借入による資金調達でも「日本政策金融公庫」、「信用保証協会」、「銀行・信用金庫」にはそれぞれどのような違いがあるのでしょうか。

今回は、それぞれの融資の特徴を紹介します。

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■日本政策金融公庫の融資借入による資金調達

日本政策金融公庫は、起業創業スタートアップベンチャーの創業融資や、中小企業の経営者向けの融資制度を取り扱うために、財務省所管特殊法人として2008年10月に設立されました。日本政策金融公庫は、政府系金融機関として民間金融機関を補完する役割を担っています。他にも公的機関の一つである信用保証協会に対して中小企業信用保険を提供しており、金融機関の”保険”という役割も担っています。

日本政策金融公庫は、起業創業を推進する使命をもっており、新創業融資制度や開業融資などの様々な融資制度を提供しています。
起業創業時のスタートアップベンチャー融資を受ける資金調達として、一番可能性が高い公的金融機関です。

■日本政策金融公庫の業務大分類

1.国民生活事業
2.農林水産事業
3.中小企業事業
4.危機対応円滑化業務

※一般的な中小企業が融資で資金調達をする際にお世話になるのは、「国民生活事業」です。「国民生活事業」は、法人に対する事業資金融資が主業務になっています。

平均融資残高:679万円
融資先の90:社員数9人以下
融資先50%:個人企業主

日本政策金融公庫で起業創業のスタートアップベンチャーや中小企業の経営者が、よく利用する融資制度は次の通りです。

■新創業融資制度(日本政策金融公庫の融資制度1)

新創業融資制度は、ファイナンスアイに相談に来られるお客様の多くも資金調達に利用されています。最大の特徴は「無担保・無保証・連帯保証人不要!最大3,000万円の融資」です。
他にも様々ある創業開業融資制度の中でも新創業融資制度は、「無担保・無保証・連帯保証人不要」という好条件の融資制度です。さらに、対象は法人だけではなく、融資先50%を占める個人事業主も対象としています。

当然このような破格の条件であるが故に、審査事態は厳しく、一般的な融資承認は1~2割程度と言われています。

※しかし、ファイナンスアイで相談をお受けした起業家の、「新創業融資制度の資金調達成功率は99.8%!」という高い実績を達成しています。ファイナンスアイでは無料で相談に応じています。お気軽にご相談下さい。

■新規開業資金・新企業育成貸付(日本政策金融公庫の融資制度2)

新規開業資金(新企業育成貸付)は、事業開始後7年以内の中小企業を対象とした融資制度になります。

融資限度額:7,200万円(運転資金4,800万円)
融資用途:新事業開始にかかる資金、または事業開始後に必要な資金

■普通貸付(日本政策金融公庫の融資制度3)

日本政策金融公庫の「普通貸付」は、業種業態の幅広く多くの中小企業が利用できる融資制度です。

融資限度額:4,800万円
利子:用途による

■マル経融資(日本政策金融公庫の融資制度4)

日本政策金融公庫の「マル経融資」は、商工会議所・商工会などから経営指導を受けている小規模業者が、経営改善のために必要な資金を「無担保・無保証」で資金調達できる融資制度です。

融資限度額:2,000万円
無担保
無保証
※商工会議所会長または商工会会長等の推薦が必要

■信用保証協会の融資借入による資金調達

よく勘違いされる方もいらっしゃいますが、信用保証協会は「融資機関ではなく保証機関」です。信用保証協会は、会社が銀行から融資で資金調達をする際に、会社の「保証人」になります

銀行は、信用保証協会付の融資であれば、会社が返済不能になった時、保証協会が銀行に残債を返済してくれます。そのため、取引はまず「信用保証協会の制度融資」から始まります。この時、債権者は保証協会になります。
※さらに、保証協会は日本政策金融公庫との間で再保険をかけており、最終的には日本政策金融公庫がバックにつく形になります。

このように、多くの中小企業の経営者が利用する信用保証協会の制度融資とは、信用保証協会が直接融資をするのではなく、保証人として保証して融資を受けれる制度になります。

さて、この信用保証協会には、次のような保証制度が用意されています。

  1. 流動資産担保融資保証制度(ABL保証)
  2. 小口零細企業保証制度
  3. 経営力強化保証制度
  4. 借換保証制度
  5. 特定社債保証制度

■銀行融資(プロパー融資)による資金調達

銀行が企業へ融資をする際に、信用保証協会の保証制度を使用せずに、銀行独自の基準で実行される融資を「プロパー融資」といいます。

保証協会付の制度融資と違い、銀行単独で行われる「プロパー融資」は非常にハードルが高いです、起業創業時のスタートアップベンチャーはもちろん、事業歴が浅いまたは規模の小さい中小企業が「プロパー融資」を受けれる事は滅多にありません。
これは、銀行側からすれば、融資した中小企業が返済不能になった際のリスクが高いためです。

「プロパー融資」で資金調達をする際には、各銀行それぞれに独自の審査基準が用意されています。事業内容や財務状況だけではなく、社歴・代表者の人格なども含めて厳しく評価されます。

いずれの銀行でも審査に用いられるのは「スコアリング」になります。
このスコアリングの評価基準は何かというのは、融資で資金調達を受けたい経営者らには分かりません。

しかし、いずれの銀行のスコアリングであっても、評価基準に決算書や財務状況が大きく関わっている事は間違いありません。
まずは次のような内容を考え、決算書や財務状況を改善していきましょう。

銀行プロパー融資のスコアリングに影響する内容

  1. 売掛金の規模、回収不能な売掛金は改善されているか?
  2. 納品・在庫状況・仕入に改善はあるか?
  3. 固定資産は適切な評価額か?
  4. 研究費、開発費などの繰延資産はいくらか?
  5. 役員貸付金や役員借入金はないか?使途不明金はないか?
  6. 経営者の人格・先見性・事業家としての資質はどうか?
  7. 事業計画書に実現性はあるか?融資は回収できるか?
  8. 社歴は何年?事業継続性は?従業員・後継者の育成は?

その他にも様々な要素や視点で企業を評価していきます。

まずは、信用保証協会付の制度融資から関係構築を始めて、銀行に足を運び担当者と頻繁に連絡を取り、売掛金の入金口座・従業員の給与振込口座・積立預金などの取引も進めながら、社歴を積み、業績を上げていくと、銀行側と「プロパー融資」の話をしていく事ができます。

重要な事は、苦しみから目を背けず誘惑に惑わされず、他社から信頼される堅実な経営を続けていく事です。

※ファイナンスアイでは、中小企業様に「初めてのプロパー融資」の資金調達も実行してきています。資金調津成功率98%以上の高い達成率。相談は無料ですのでお気軽にご相談下さい。

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