■事業における「リスケ(返済条件変更)」の重要性
リスケ(返済条件変更)というのは、「リスケジュール」のことで、経営上は銀行に対して返済条件の変更を求めることをいいます。
リスケ(返済条件変更)は本来ならば、「しないよう」に企業活動をしていく必要がありますが、事業の失敗や計画の遅延などによっては、経営者が望まなくとも「リスケ(返済条件変更)」が必要になる場合もあります。
こうした事業の失敗等には、例えば「販売不振や過剰設備投資」などがあり、分かりやすい意味では「利益が減少すること」を指します。
そして、利益が減った場合には、当然経営活動が難しくなるため、取引銀行に対して返済ができなくなります。
このように返済ができなくなる事態に陥った際、それでも今までどおりの返済をしていくと企業は倒産をしてしまいます。
そのため、こういった倒産を免れるために、取引銀行と交渉をして「リスケ(返済条件変更)」を申し込む必要があります。
このように、「リスケ(返済条件変更)」は事業に万が一の際が発生した際に、倒産を免れる方法です。
■リスケ(返済条件変更)をすると銀行にもメリットがあることを説明する
企業がリスケ(返済条件変更)をするためには、取引銀行から「リスケ(返済条件変更)」の承諾を得る必要があります。
ただし、取引銀行もビジネスとして融資を行っている以上、簡単にはリスケ(返済条件変更)を承認してくれません。
リスケ(返済条件変更)交渉はどのようにするべきか
リスケ(返済条件変更)をする上で大事になるのは、「リスケ(返済条件変更)」が銀行にとってもメリットがあることを証明することです。
もちろん、「リスケ(返済条件変更)」をしている以上、「返済可能性」が低くなっているので、銀行にメリットはありません。
ですが、「リスケ(返済条件変更)が事業においてどういった役割を果たすのか」などを銀行に説明し交渉する必要があるのです。
リスケ(返済条件変更)交渉のステップ
- 「リスケ(返済条件変更)後」の経営改善計画書を事前に作成します。
- 「リスケ(返済条件変更)をした場合」と、「リスケ(返済条件変更)をしなかった場合」との差を提示します。
※「リスケ(返済条件変更)後」には資金繰りがどのように改善していくのかを見せるのも良い方法です。
このように、リスケ(返済条件変更)をする上で事前に必要な書類を用意し、今後の返済可能性が高まることを提示して納得してもらう必要があるのです。
■リスケ(返済条件変更)交渉の際、取引銀行(金融機関)のペースに流されない
どうしてもリスケ(返済条件変更)となると、貸し出しをしている取引銀行が強い立場になって、借り入れをしている企業が弱い立場になりやすいです。
その結果、取引銀行主導のもと返済再開を促されることが多くなっています。
しかし、リスケ(返済条件変更)をする上でも「できること」と「できないこと」を明確にして答える必要があります。
リスケ(返済条件変更)交渉でペースに流される悪いケース
例えば、本来なら10年で経営改善をすることができるにもかかわらず、その半分の「5年でできる」と条件変更をしてしまうと、その分資金繰りなどが厳しくなります。
リスケ(返済条件変更)交渉でペースに流されないために
取引銀行のペースに流されないようにするには、あらかじめ「できること」と「できないこと」を明確にしておくこと。
この二つを明確にしたうえで、交渉を進めることが大切です。
■リスケ(返済条件変更)申込時の銀行金融機関交渉のまとめ
リスケ(返済条件変更)は企業が存続し、借り入れを全額返済するために行う交渉です。
この交渉において、実現不可能なリスケ(返済条件変更)条件を妥結することは本末転倒なことになってしまいます。自社の将来性や資金繰りをしっかり勘案し、リスケ(返済条件変更)の条件を固めていくようにしましょう。
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代表取締役 田中 琢朗(たなか たくろう)
大手の金融機関・上場企業の財務部門責任者などを歴任し、2014年にファイナンスアイを創業。業界歴30年・創業10年のベテラン。中小企業・個人事業主・起業家と一緒に、現場で泥臭く汗をかいて靴をすり減らして財務を軸に経営者を支援し続け、のべ10,000人以上の圧倒的な実戦経験を持つ。ノウハウを「ファイナンスアイ式メソッド」として確立。中小にはびこる悪質なM&Aの被害をなくすために、M&A支援も本格化。売手・買手のいずれの立場からも真のM&Aを提供。現在も毎月150件以上の新規相談に対応し、毎週セミナーも開催中。日本経済のために今日も邁進しています。