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■融資審査に使われる「定量分析」と「定性評価」とは?
銀行が企業に対して資金の融資をする時、財務諸表やキャッシュフローなどの「定量的な分析」と、経営者の質やステークホルダー(利害関係者)などの数値化しにくい「定性的な評価」によって融資の判断を行います。
これら「定量分析」と「定性評価」は、銀行の融資方針や企業の規模などによって重視のされ方が異なりますが、一般的には両方を総合的に判断して企業への融資を行っています。
■定性評価はベンチャーや中小企業の審査に重要
スタートアップベンチャーや中小企業においては、特に「定性評価」が融資をするか否かを決める重要な要因になります。
スタートアップベンチャーや中小企業の経営者は「定性評価」の内容を具体的に知っておくことが融資の成功率を高める事になります。
■企業の質は「人」にある。人を評価するのが「定性評価」
この融資審査に重要な「定性評価」ですが、では具体的にはどのようなものでしょうか。
ビジネスの経営において、利益の根源になるのは、機械や土地など数値として測る事ができるものです。
しかしそれ以外に、最も重要で且つ大きな影響を与えているのは「人」です。
「人」を判断する事が「定性評価」の中心になります。
■定性評価の3つのポイント
融資審査に重要な、「定性評価」の3つの要因項目は次の通りです。
1:企業に属する要因
経営者のマネジメント能力や従業員の構成などを評価する
2:外部関係者や法人に属する要因
顧問弁護士や取引先などを評価する
3:業界および市場に関する要因
その業界などの特徴を表したり、競合他社などの状況を評価する
将来的に利益を生み出す可能性がある「人」を評価して、企業の潜在的価値を見出そうとするのが「定性評価」です。
この観点から融資の際には銀行員が企業の「定性的な評価」を調査します。
■「定性評価」はあくまで銀行が融資しやすいかを判断する基準
「定性評価」は「人」を判断する基準ですが、明快に言うと、銀行から見て「返済を第一優先順位に行う責任感のある人柄か」という点がポイントになります。
「定性評価」の融資審査で嫌われる「人」とは
- 資金用途(仕振り)の悪い経営者
経営者の資金の使い方を「仕振り」といい、仕振りが良し悪しが評価の対象になります。 - ひとりよがりの経営者
銀行はいわゆる「ワンマン経営者」を嫌う傾向があります。
「定性評価」の融資審査で好かれる「人」とは
- 優良企業等との取引がある経営者
企業の外部関係者が銀行の既存取引先だと高評価になる傾向があります。 - こまめに銀行担当者と会う経営者
決算が確定したらすぐに報告する等、「返済を第一優先とした責任感」を見せる行いは好評価になります。
■融資審査に重要な「定性評価」のまとめ
融資審査に重要な「定性評価」は経営者個人の資質ですので、なかなか変更することは難しいと思います。
しかし、「定性評価」で高い評価を得る
- 資金用途を正しく戒める
- ひとりよがりにならず適切な経営をする
- 質の良い取引先の開拓や協力者と関係を構築する
- 銀行担当者とのリレーションや返済への責任感を持つ
などの要素は、経営者としては日々心がけていて当たり前の行いです。
融資借入で資金調達をするために、「定性評価」が全てではありませんが、より確実に融資を引き出すためには「定性評価」に十分配慮して日頃より銀行との付き合い方を考えておく必要があります。