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■資金繰りで資金ショートが起きた場合の対応方法
企業活動を行っていると、従業員や取引先、また株主や金融機関などさまざまなステークホルダーと関係を持つことになります。
こうした人との関わりは、従業員であれば賃金、取引先であれば売掛金・買掛金、銀行等の金融機関であれば融資の借入金など、資金と密接に関わってきます。
そのため、資金が枯渇してくると、従業員へ給与を支払が遅延したり、取引先へ支払い条件の変更や金融機関へのリスケをお願いする必要が出てくる可能性があります。もちろん、資金の枯渇は避けるべき事態ですが、万が一の時は資金のショートを回避すべくあらゆる手段を講じる必要があります。
この場合、安易に資金を捻出する施策を実施してしまうと、取り返しのつかない風評被害を生むリスクがあります。対応には優先順位があり、間違った順番で対応すると問題を広げる場合もあるので、十分注意が必要です。
■「従業員への給与」と「取引先への買掛金」が大事
資金繰りで資金ショートしそうな時に優先的に支払うのは「従業員への給与」と「取引先への買掛金」です。
資金ショート時の支払優先順位1 従業員
資金ショートが起きた際に、まず優先的に資金を支払うべき相手は「従業員」です。
ただし、多くの企業ではこのことが分かっておらず、十分な説明もなく従業員に賃金の支払いを遅らせて、結果として社内を混乱させ失敗しているケースが後を絶ちません。
社員からの不信感は大きく会社の価値を損じます。このようなリスクを回避するために、「従業員への給与」は第一優先順位で速やかに支払う必要があります。
尚、役員報酬は全く別物ですので、生活の維持ができる水準まで速やかに圧縮しましょう。
資金ショート時の支払優先順位2 取引先
ステークホルダーの中で、従業員に続いて優先的に支払うべき相手は「取引先」です。
特に複数の取引先がある場合は、取引先の資本体力によって払う順位を決める必要があります。そのため、仮にすべての取引先に支払うだけの資金がないのであれば、資本体力がある企業には一部の支払いや支払い期限の猶予を申し入れることが大切です。
取引の長い先は要注意
長い取引をしているパートナーは、こちらの売掛先を把握していて、いきなり売掛債権の差し押さえを行ってくる可能性もあります。
こうなると、甚大な風評被害が起きることは避けられません。このようなリスクを回避するため、こちらの手の内がわかっている取引先には十分な説明が必要になります。
以上のような理由から、資金ショートが起きた際には、まず「従業員の給与」、そして「取引先の買掛金」を支払う必要があるのです。
■取引銀行への「リスケ」の要請
従業員や取引先に資金を支払ってしまい取引銀行へ支払いが滞ってしまった場合には、返済条件変更「リスケ」を申し入れる必要があります。
「リスケ」をすると、例えば、返済金額を一時的に減額してもらえたりするので、一定期間は資金繰りを改善する事ができます。そのため、資金ショートが発生することが見込まれる場合は、速やかに「リスケ」を要請することが重要です。
尚、「リスケ」の最大のメリットは実業の取引先ではないので、風評被害を最低限に止められることにあります。
また、「リスケ」の方法などについては別の記事にて書いて行きますので、詳しくはそちらを見て「経営改善計画書」や「資金繰り表」などの作り方を参照してください。
※参考記事
- 資金繰り悪化をまねく9大ポイントと資金ショートを未然に防ぐ方法とは
- 保存版|返済条件変更(リスケ)のデメリットを知って資金繰り改善へ
- 融資のリスケ(返済条件変更)申込時の銀行金融機関交渉のポイントとは
- 経営改善計画書で融資のリスケを納得してもらう2つのポイント
- 融資のリスケ(返済条件変更)中でも資金調達できる事を知ってますか?
- 融資のリスケ(返済条件変更)を更新するための3つのポイント
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